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〈H×H パロ〉ホストクラブ【幻影旅団】

第4章 +アルファ/夢主はイルミの幼馴染


「先にシャワー浴びたら?」

「ん、うん…」

もう食事も終えているしこれからやる事といえば入浴と睡眠くらい。ただ、とりあえず初めて入る部屋が物珍しく ユイはその場を動こうとしなかった。

「ユイ」

「ん」

「風呂」

「うん」

ユイはイルミに曖昧な相槌を返しながら落ち着きなく首を動かしていた。やはりおかしな所はないが テレビとベッドはやたら大きい気がした。

「早くしなよ」

「わかってる」

高級感も清潔感もあるのに 何故か窓がない、そのせいか少し閉鎖感がある。

「ユイ」

「うん」

「早く」

「…もう、わかってるもん!」

ゆっくり観察させてくれたっていいじゃないかと思いながら ユイは洗面所の方へ向かった。
ドアを開け中を除けばタオルやアメニティ、バスローブまで揃っているのだから普通のホテルと大差ない。
何となくホっとした次の瞬間、ユイの理解を超える光景が目の中に飛び込んできた。咄嗟に大声を出す。

「イル兄!ねえ!!イル兄ー!!!」

「なに?聞こえてるよ煩いな」

ひょこっと洗面所に顔を出すイルミに ユイは浴室を指差しながら言った。

「なにこのお風呂どうなってるの?!」

「どうって?」

「だって…!全部ガラス張りってどういうこと?!」

「そういうデザインの部屋なんじゃないの?」

「丸見えだよおかしいよ!こんなお風呂入れないよ!」

「そこの洗面室のドア閉めておけば問題ないよ」

イルミはまるで興味なし むしろこんなものは普通だと言い出しかねないくらい落ち着き払っている。 ユイは口を開けたまま困った顔をするしかなかった。

「わかったら早く入りなよ」

「…………。あたしがお風呂入ってる時に歯磨きしにきたりしない?」

「しないよ」

「顔も洗いに来ない?」

「来ないよ」

「絶対?」

「うん」

「絶っっ対ね?!」

イルミは若干目を細める。一体何を疑われているのか、食い下がるユイは逐一面倒臭かった。
イルミは洗面所のドアを指差し 冷淡な声を出した。

「なら内側から鍵かけておけばいいんじゃないの?」

「あ、そっか そうだね」

「早くしてよ」

「……わかってるってば!」



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