第6章 大人になる方法/イルミ/+アルファ夢主初体験裏
“泣かないで”
そう言いたいのだろうか。 これは嘘を売り物にするイルミの 正直な誠心誠意なのだろう。
だが、その優しさが諸刃の剣であり 本当に残酷だと思う。
“泣いても無駄だよ”
そうも言われている気がしてならなかった。
決して越えられない一線を何とか跨ぐ方法は もうこれしか思いつかなかった。
「……っイル兄 挿れて?」
「それをあっさり言うかな。オレがどれだけ我慢してたと思ってるの?」
「お願い。イル兄としたいの ちゃんと最後まで」
「わかった」
なすべき事が明確になればイルミは潔かった。秘部にソレを押し付けられる。
いよいよ訪れる想像以上の痛みに目を瞑る。攣りそうな程 下半身に力が入った。
「……っ、……つ」
「大丈夫?」
「だっ 大丈夫……ッ入った?」
「まだ半分も入ってないよ。でも今日はこれでいいよ 何とかする」
「やだ ダメっ 全部して?ちゃんと全部…っお願い」
脚をきつめに掴まれ ベッドに押し付けられた。そのまま腰を進められると 身体の中が張り裂けそうで 目尻からは無意識に涙が流れてくる。
「健気だね ユイは」
◆
挿入後も時間はそれなりに長かったように感じる。
そこから先は実のところ ただひたすらに痛いだけ。腹の上に白濁液を吐き出されるまでの記憶は曖昧だった。
事情の後、甘い時間に誘い込むべく囁いてくるイルミの腕の中、微睡みながら目を開ける。
脇腹を伝う精液と蜜の混ざる血液が シーツを淫らに汚していて、それが無性に嬉しくなる。
残るのは激しい倦怠感と渦巻く充実感、少しだけ大人になれたような気もする。ゆえに、後悔はなかった。
fin