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〈H×H パロ〉ホストクラブ【幻影旅団】

第4章 +アルファ/夢主はイルミの幼馴染


名前は知っているし何と無くの知識はあるが まさか自分がそんな場所に足を踏み入れる事になろうとは思ってすらいなかった。
イルミは固まるユイへ目を向けた。

「どっちみち今夜は帰れないならきちんと眠れる部屋に居る方がよくない?ユイ相手に何もする気ないし」

「でも、その…」

「どうしても嫌なら他の場所探すけど」

「あ、違っ…嫌って言うよりも、えっと、その…」

「なに?」

「あの………」

嫌がる、焦る、怖がる、とは少し違い ユイはもじもじ気まずそうにしていた。

「ら、らぶホテルと言うのは、……」

「うん。」

「恋人同士が入る場所なんだよね?」

「まあ 当たらずしも遠からずかもね」

「あたしとイル兄は 恋人同士じゃないけど」

「うん」

「入っちゃっていいものなの?バレたら怒られたりしない?大丈夫なの?」

「……。それ誰がどういう基準でどう判断するの?」

「えっ?…わかんない、けど…」

イルミはスカートの裾を握るユイを見下ろした。こういう場所を知らないわけではなく ユイには中途半端に知識があるらしい、イルミにはユイの着眼点が理解不能だった。

「あたしこういうホテルは入るの初めてなんだけど…」

「だろうね」

「普通のホテルみたいにチェックインの時フロントで名前や連絡先書いたりしなくていいの?」

「ラブホテルに自分の痕跡を残したがる奴なんて聞いたことないよ」

いちいち納得させるのが面倒で イルミは適当に答えながら宿泊先の部屋まで向かって行った。

初めて訪れる状況と建物に戸惑いはあったが 部屋の中はユイの知るホテル像と大きく外れる事はなかった。
くるっと部屋を見渡す。ユイは目の前でスーツの上着を脱ぐイルミに言った。

「…中は普通のホテルとそんなに変わらないんだね」

「部屋によるんじゃない?」

「そうなんだ」

顔に髪が張り付きチクチクする、ユイはによりランダムな長さに切られたサイドの髪を耳にかけた。

ベッドの隅に浅く腰を下ろすイルミは ネクタイを一気に抜き シャツの襟を軽く緩めた。そして、もらわれたばかりの仔猫同然にキョロキョロしっぱなしのユイに言った。


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