第1章 ホスト遊び/夢主はお客様
いちゃつく2人をチラチラ見ながらヒソカが作ってくれたお酒を飲んでいると、新しいホストがやってきた。
シャルとはまたかなり雰囲気の違うなんていうか…「黒」って感じの人。
その人がテーブルの前で片膝をつく。
それに気付いたリネルさんが楽しそうに声をかけた。
「キミのこと初めて見るなぁ 新入りくん?」
「新入りといえばそうなんだけど、正しくは出張でお手伝い。他店から」
「へぇ〜 お手伝いくんお名前は?」
「イルミ。ここいい?」
「あ、…はい」
ほんとにシャルとは真逆な感じ。
愛想のないイルミは しれっと言い放つと私の隣に腰をおろしてきた。
態度がいいとは言えない気がするけど 酔っているから気にならないのか…リネルさんは楽しそうだった。
「スタイル良くって格好いいねーモデルさんみたい」
「どうも。名前は?」
「私リネル、そのコはユイ」
イルミは出張と言っただけあって、ここの賑やかな店内には何だか少し不似合いだった。
イルミは私の顔をじっと見つめて、少しだけ首を傾げて言った。
「なんて呼べばいい?ユイさん?ユイちゃん?」
「ユイでいいよっ!」
明るく答えたのはリネルさんだ。
「じゃあユイ まずは一杯もらっていい?」
「…は、はい」
いきなり呼び捨てにされることになったみたいだ。
それからはまた四人で乾杯することになった。