第3章 今日も夜が来る/小話集め
15.脱ぎたての服/イルミ
コール、タワー、イベント日は稼ぎ時であろう。飲み比べには勿体無い高級ボトルが各席へ飛んでゆく。私の席では現在 ふんぞりかえるクロロの前で 長身の2人がシャンパン片手にいがみ合っている。
「今日はずいぶん粘るねヒソカ」
「イルミこそ 足元フラフラじゃないか」
「そんなワケないだろ」
「強がるなよ」
シャツのボタンを解きながら グラスの縁をゆっくり舐める。なんとも挑発的なヒソカさんのむかいで イルミさんが珍しくスーツのジャケットを脱ぐ、それが無造作にこちらへ飛んできた。ふわんと香水の匂いが舞う。
「ふ、早くしろ」
このお遊びはホントやめられない。