第1章 ホスト遊び/夢主はお客様
「ユイどうだったぁ?今日」
リネルさんの声に顔をあげた。
リネルさんは足を組みながらイルミのタバコを吸っていた。
そのタバコはどんな味がするんだろう、って思った。
タバコに興味を抱いたのは人生初だった。
「ちょっと荒治療かなぁって思ったんだけど、案外ユイにはこれくらいのがいいかなぁとも思って」
「はい…ありがとうございます。楽しかったですよ」
回答を返しつつも 意識はここになかった。
これからまたイルミに会えるんだと思うと一気に緊張してリネルさんの声は半分くらいはそのまま抜けていくようだった。
「ユイ気に入ったの?」
「え…?」
「イルミ」
リネルさんは可愛くにっこり笑ってた。
シャルにバレバレって言われたけど、リネルさんにまでバレるくらい私ってわかりやすかったのかと思うと顔から火が出そうだった。
リネルさんは忘れたようにテーブルに置かれていたイルミの名刺を手に取ると悪戯そうな顔で言った。
「今度こっち行ってみようか」
「え、…でもそこヒソカいませんよ?」
「いいよ ここで呑んでから二軒目はこっちくるもん。ユイはこっちのがいいでしょ?」
ふふ、と笑うリネルさんはとても満足そうだった。
私はリネルさんに気になってた事を聞いてみた。