第1章 ホスト遊び/夢主はお客様
クロロが勧めるするプリンは想像以上に美味しかった。
途中、「オレにも一口」って手首取られてスプーンのプリンを持っていかれた時はどうしよう…って戸惑ったけど。
クロロって意外性満載で人を飽きさせないし、さすがNO1だけあるなと思った。
ただのオレ様じゃなかったみたい。
リネルさんの隣で腕時計をチラチラ見ていたシャルが クロロに目配せをする。
クロロはグラスを空けて席を立ち上がり、私に華麗な笑顔を向けた。
「中々楽しかったユイ。また遊びに来い、お前なら無条件で歓迎する」
「え、うん…ありがとう」
つい、うんなんて返事してしまった。
けどここに来たとしてもイルミはこのお店の人じゃないから次は会えないんだよね…?なんて心の中で考えてた。
「えー クロロぉ、私は…?」
「リネルはまぁ…来たければこい。」
「何それっ!」
クロロは真っ直ぐ伸びた背を屈める。
むくれた顔をするリネルさんに顔を近付けた。
「聞け。リネル」
「うん…」
「いいか、次はヒソカじゃなくてオレに会いにこい。そうしたら歓迎してやる」
「うん…わかった」
「オレの思いは変わらない。お前を愛してる。」
「うん…私も、私もだよ クロロ…」
なんなんだろう、この人達…
さっきまでヒソカにベタベタ甘えてたリネルさんも、誠実そうな顔してお客さん相手に愛してるなんて言っちゃうクロロも…
シャルはやれやれって顔をして肩をすくめてた。
ホストクラブなんだから言葉遊びがある事くらいはわかるけど…
クロロはそのままリネルさんの頰、というかほぼ唇へ静かなキスをする。
ここはなんでもアリだっていう世界なら。
イルミに「好きって言って」ってお願いしたら、口先だけでも言ってくれるのかなって変な想像してしまった。