第1章 ホスト遊び/夢主はお客様
しばらくは4人で呑んだけど、時間にしたら短かった。
やっぱりNO1は忙しいらしくて。
リネルさんはヒソカの時とはまた違う感じでずっとクロロとイチャイチャしてたけど、クロロは少しだけ私の隣にも座ってくれた。
クロロってオレ様感が強かったから隣にこられた時はちょっと緊張した。
そういうの女子に人気らしいけど私はなんか怖くて苦手だったから。
でもクロロは私の隣に来た時は変にベタベタすることも いじるようなことを言うでもなく、自然に話題を振ってくれた。
話の引き出しが広くて、かなり頭のいい人なんだろうなって思った。
「ユイは休日は何してる?」
「…えと、…笑わない?」
「ああ。」
「…私、本が好きで、…読書とか図書館行ったり…」
素直に答えたけど、地味でつまんない回答だしイルミだったら 何て言うかななんて思ってたら、意外な言葉を返された。
「いい趣味だな。俺も本が好きでよく読むんだ。この仕事をしてると思うように時間が取れないのが悩みなんだが…」
「…え」
「変か?ホストが読書っていうのは…ちなみに最近では何読んだ?」
まさかNO1ホストと本の話題で盛り上がれるとは思ってなかった。
私はクロロと話していたこの時が、この夜で一番よく話していたと思う。
「趣味が一致した記念に何かご馳走しよう。何がいい?」
「え、…」
「リネルには内緒だぞ。あいつうるさいから」
クロロは口元に人差し指をあててイタズラそうな笑顔を見せる。
「お店のオススメは?」って聞いてみたらプリンって返ってきて、それが絶品なんだって真顔で話し始めるものだから、これまた意外でつい笑ってしまった。
そういえばイルミはマカロンが甘すぎるって言ってたっけ。
確かにマカロンて張り付くみたいな濃い甘さあるしね。
プリンくらいの優しい甘さだったら大丈夫なのかな?なんてふと思った。