第1章 ホスト遊び/夢主はお客様
「タバコ吸わないんだねー ユイは」
隣から聞こえたシャルの声に目を向ける。
シャルは私に目を向けつつも、お酒をテキパキ作っていた。
「やっぱ女の子は吸わない方がいいよね。って実はオレも吸わないんだけど」
「そうなんだ。シャルあんまりタバコ似合わなそうだしね」
「……ソレ もしかして童顔だって言いたい?」
気にしていたのかな、褒めたつもりだったんだけど。
少しむくれたシャルはちょっと可愛かった。
そんなシャルを見ていたら自然と笑顔になれた。
「あ、笑った!今日初めてみたよユイの笑顔」
「え……そうだっけ?」
「うん。せっかく可愛いんだからさー もっとニコニコしてよ」
シャルは人差し指で私の頬をツンと押してくる。
私の100倍は可愛いであろう笑顔を見せた。
「お前ら何イチャついてんだ。ほら 乾杯するぞ。リネル 酒作れ」
「え〜?!なんで私?!」
「こらこらクロロ 一応お客様だよリネルは」
「ユイのはオレが作ってやる。来店記念だからな」
「も〜!ズルいってばー!!」
そんな会話をしつつ、クロロはリネルさんを膝の上に乗せる勢いだ。
リネルさんの胸元に思い切り顔を寄せるクロロにイチャついてるのはどちらだと、心の中でツッコミを入れてみる。
こうしてちょっとオレ様感が漂うNO1ホストを交えての乾杯が始まった。