第1章 ホスト遊び/夢主はお客様
しばらくして 誰かが近づく気配と共に場の雰囲気が明らかに変わった。
他の席のコなのか女のコのキャアって言う黄色い声も混ざってた。
そのクロロってホストは優しい笑みを浮かべながら私達の席の前に来ると、片膝をついて 指の間に挟んだ名刺を私に渡してきた。
「初めましてクロロ=ルシルフルです。今夜の来店、礼を言う」
「は、初めまして…ユイです…」
「ああー クロロ~!久しぶり~!!」
リネルさんはクロロの隣に腰をおろすと思いっきりクロロの首元に抱き付いた。
クロロはそんなリネルさんの腰を難なく片手で抱き込んだ。
吸い込まれそうな程、綺麗な瞳をしている人だと思った。
NO1ホストって言うからシャルみたいにいかにもキラめいている感じの人を想像してたんだけど。
クロロはさらさらの黒髪に黒い瞳、服装はファーなんかついててちょっと派手だったけど、外見だけで言えば今日会った人の中で一番誠実そうに見えた。
「リネル重いぞ、どけ。とりあえず乾杯でもしようじゃないか」
「もぉ〜クロロってば!せっかく久しぶりに会えたのにー!!」
クロロはリネルさんの腰を抱いたまま、リネルさんの隣に腰をおろした。