第1章 ホスト遊び/夢主はお客様
イルミに肩を抱かれたまま、しばらく飲んだ。
あんまり話さないのかなって思ってたけど、案外そんなこともなくて 私の事とか聞いてきたり、自分のお店の話もしてくれた。
「いいお客さんてどういう人?」
「ああいう人」
ふと、聞いてみたらイルミは目の前を指差した。
なるほど。
リネルさんか。
確かにお金持ってるしキレイで素直で可愛いし、わかる気がした。
リネルさんはヒソカの首筋にしっかり抱き付き すっかり大人しくなってて、ヒソカはリネルさんの腰を片手で抱きながら 空いた手では器用にお酒を飲んだりタバコを吸ったりしていた。
「オレらにとってはリネルみたいなのは結構いい客。割り切って楽しんでくれるし金払いも良さそうだし」
「そっか」
「ヒソカが羨ましいよ」
「…き、綺麗だもんねリネルさん」
「外見どうこうじゃなくてさ。でもオレはユイの方が好きかな」
「えっ」
「ユイの方が見てて新鮮でかわいい。なんか安心出来る」
「…………」
「少し危うい感じがして、それも守ってやらなきゃって感じがする」
肩をぎゅっと抱き寄せられ耳元で囁かれた。
急にそんなことをされると、イルミの吐息の感触に鳥肌が立った。
リネルさんより私がいいなんて。
たとえお世辞だったとしても そんな事言ってくれる人いるんだって思ったらなんか嬉しくて、感情がたかぶって ちょっと泣きそうになってしまった。