第1章 ホスト遊び/夢主はお客様
「ねぇユイ ゲームしよう」
「ゲーム?」
イルミが唐突にそう言った。
「ゲームって…なんのゲーム?」
「3択ごっこ」
「それ何?」
イルミに聞き返したけど、私が欲しいのとは違う返答が返ってきた。
「ユイは甘いものは好き?」
「…うん」
まぁ甘いものは好きだし素直に答えた。
イルミは リネルさんが注文した一口サイズのマカロンが並ぶお皿からそれをひとつ摘まむと、私の目の前に持ってくる。
「1 指、2 口、3 舌…どれがいい?」
「え?!えっと…1」
「ユイならそう言うと思った」
咄嗟に答えた。
て言うか それしか選択出来ないよね?
まず、舌って何……
イルミはそのままマカロンを私の口に運んでくる。
さっきリネルさんとヒソカも あーんてやってたし ホストクラブってこういうもんなのかなと思ったけど、さすがに気まずくて口先でさっとマカロンを奪い取った。
味がよくわからない…
次にイルミは私のグラスを手にして、私の目の高さにまで持ち上げた。
「次はこれ。どうする?」
「ん、えっと …1…?」
イルミは私のグラスに人差し指をほんのりつける。
そのまま私の唇に指を添えてきた。
お酒が冷たい、じゃなくて。
この状態気まずい…いや、選択可能なのはこれしかなかったはずなんだけど…
どうしたらいいのかわからなくて戸惑ってると、イルミはふっと鼻で笑ながら首を傾げている。
「1選んだのユイだよ?」
「……っ、」
イルミは濡れた指先を舐めグラスをテーブルに戻すと、再び肩を抱き直してきた。
「じゃあ次はユイの番」
「え……」