第1章 ホスト遊び/夢主はお客様
そんな3人の会話をイルミの肩にもたれかかったまま聞いていた。
ふと、イルミが脚を組み直しスッと私の肩を抱いてきた。
急だったからイルミの腕の感触に少しドキッとした。
イルミは私の顔を覗き込んでくる。
「ユイも欲しい?オレの名刺」
「え…、別に」
「じゃああげない」
イルミはツンと顔をそらせてしまった。
つい、別になんて言っちゃったけど もらっておけば良かったかなーとも思った。
私はちょっと残念そうな顔をしてしまった。
「オレは欲しいって言ってくれた子にしかあげないから」
「……じゃあ、欲しい」
そう言うと名刺を取り出して私の手に乗せてくれた。
お手伝いに来てるって言っていたけど 普段イルミのいるホストクラブはどんな所なんだうって少し興味が湧いた。
「ここはどんな所?」
「それを教えたらつまらないでしょ」
イルミは私のグラスを取るとそれを私の口元に運んでくれる。
これって飲んでって事なのかなと思って、一口 お酒を口に含んだ。