第6章 大人になる方法/イルミ/+アルファ夢主初体験裏
イルミの顔を不安気に見上げてみれば すぐに目が合ってしまう。こちらの出方をありありと伺っている。
うまく動かない指先で、一つ、また一つ、ボタンを外していった。
「出来ました…」
「うん。どうも」
外しただけでは はだけた印象が増しただけだった。臍まで見えると さすがに直視は難しくなってくる。身体を寄せてくるイルミと 互いのこめかみが触れ合った。
「ちゃんと脱がせて」
「……っ」
ゆっくり手を伸ばし シャツをそっと肩から外す。イルミは身体だって大きい訳で 服を脱がすとなれば抱き着くも同然の格好になる。
「…………っ」
表れる逞しい肩には 思い切り心臓が跳ねた。締まった肉体は想像以上に男の人だった。イルミの事を 通常よりは中性的で細やかな男性だと思っていたが とんでもない、自分とは明らかに異なる身体つきを披露されれば 一気に緊張がぶり返してくる。
「次はユイ」
頭上から落ちる声と共に 背中に両手が回り自由を奪われる。服の中にするりと入る手は 下着ごと服を捲り上げてくる。
少しだけ抵抗してみようにも殆ど意味なんかなく 頭の上から服を簡単に抜かれてしまう。焦りを覚え 必死に両手で身体を隠そうと試みるや否や 視界は一気に一変してしまった。
「…イルにっ…」
文字通り、またも押し倒されるというヤツである。軽く掴まれた手首はシーツに沈んでいるし 思い切り半裸になっているイルミが物憂げに こちらを見下ろしている。
「……、っ」
胸の先にちらりと指が触れる。 周辺を円状に回されると ぞわりとしてたまらなかった。両胸の真ん中を手の平が下る。
「鳥肌立ってる」
「それ、は……」
「寒い?」
「寒くは ない…」
どちらかといえばむしろ熱い。また ゆっくり上がる手のひらは小柄な胸を意図も容易く包み込んでしまう。幼稚な肢体を晒していること自体 身体が火を吹きそうなほど恥ずかしかった。