第6章 大人になる方法／イルミ／＋アルファ夢主初体験裏

考えている暇もなかった。長い指が下着の肩紐を落としにかかる。半端に乱れたブラジャーの中にイルミの指先が入り込み、下着ごと またそっと胸を揉まれる。

「…イル兄 待ってっ」

「待たないよ」

「ダメッ」

「ダメじゃない。オレお預け、みたいなのあんまり好きじゃないし」

「………でも、待って下さい お願いしますっ」

「却下。待ちません」

「………裁判長………っ」

「え 何プレイ？ユイ レベル高いな」

胸の上で動く指が一点に近づいてゆく。中心あたりをくるりと摩られた。

「やだっ」

逃げては近付き、また逃げては撫でられて。わざととしか思えない 意地悪な触れ方に身体が反応するのが自分でもよくわかった。範囲を狭めながら 指の腹が先端に到達する。触れているのかわからぬほどの微かな刺激に 翻弄されてくる。

「気持ちいい？ここ」

「っわかんない、…っ」

「気持ちいいでしょ？固くなってるし」

「違…っ」

「こういう時は素直に言ってくれると嬉しいんだけど」

恥ずかしさでおかしくなりそうなのに そんな事まで言える訳がない。目の前のイルミは 伺うように、ゆっくり首を傾げている。

「言って？」

「…言えないよっ…」

「どんな感じ？」

「…わからなっ……」

突起をそっと摘ままれ そのまま優しく捏ねられる。きゅう、と快感が走り 思わず喉から息が出た。

「ぁ……ッ」

「気持ちいいんだ？」

「ちが…、」

「教えてよ。ユイがオレに触られてどう思ってるか知りたいんだけど」

イルミのことだ。答えはわかっているはずなのに その聞き方はひどく狡い。
回答が明確な恥ずかしい台詞をあえて言わせる事に 一体何の意味があるというのか。ぎゅっと目を閉じてみる。

「……イル兄、の……」

「うん」

「……指が……」

「指が？」

「…………っ、……あたしの……胸触ってるの、……気持ちいい……」

消えそうな小声だったが ちゃんと届いたようで、ご褒美みたいな愛らしいキスをされる。もう片手が服の中に入ってくる。

「よく言えました。」


自ら快感を認める事がこんなにも恥ずかしいとは知らなかった。それでもこれは この行為の大切な要素、そう仕込まれた気もする。