第1章 ホスト遊び/夢主はお客様
また時間が過ぎる。
私はいつの間にかイルミの肩にちょっとだけもたれかかって飲んでいた。
ヒソカにべったり顔を寄せていたリネルさんが、ヒソカの胸元を指先でなぞりながら言った。
「…ね ヒソカぁ、ちょーだい?」
「ん?もう?」
「欲しい〜早くぅ」
「わかったわかった。好きだねぇキミも」
エロティックな会話に何が始まるのかとドキドキした。
ヒソカはスーツの胸元の内ポケットからタバコの箱を取り出した。
私はリネルさんがタバコを吸うなんてこの時初めて知った。
ヒソカはキスでもする気?ってくらいリネルさんに顔を寄せてタバコを咥えさせると、これぞホストって感じにライターでスマートに火をつけた。
慣れた手つきでタバコを吸うリネルさんは、ヒソカの首筋に腕を回して可愛らしい声を出した。
「ヒソカも欲しい?」
「欲しい。いいかい?リネル」
「じゃあ私とどっちが欲しい?」
「ほんとはリネルが欲しいけどね、今はこっち」
「もう。こういう時は正直ものなんだから〜」
リネルさんはヒソカにタバコを咥えさせると自分のタバコの火をツンと、押し付けてにっこり笑ってた。
女の私から見ても、ヒソカに素直に甘えているリネルさんて何だが可愛いなって思った。
さすがにそれじゃあ火はつかなかったみたいで、ヒソカは笑いながら自分で火を付け直してたけど。