第1章 ホスト遊び/夢主はお客様
途中、シャルが早足で私達の席に来た。
「ごめん!忘れてたけど席にヘルプいた方がいいかな?」
「ん~ 入れて欲しいコいるの?」
ヘルプ?
私にはシャルの質問の意味がよくわからなかった。
リネルさんがシャルに質問を返したけど、回答を待たずにイルミが答えた。
「いいよ。ヒソカにやってもらうから」
「おいイルミ ここじゃボクのが先輩だよ?」
「だからこそ。ヨロシク先輩」
「決まり助かる!この時間人足んなくてさ、ヒソカ任せたよ。……あ、ユイ」
シャルは私に少し顔を近付けて、例の眩しい笑顔を見せた。
「コイツちょっとキツい所あるからさ、いじめられたらすぐオレ呼んでね。即効チェンジで助けに行くから」
「心配無用だよ。仲良くやってるよね?ユイ」
「え?…えと…」
イルミが急に私の頭に自分の頭をコツンとぶつけてきた。
シャンプーだか香水だかわかんないけど、イルミからはシャルとはまた違ういい香りがする。
目の前にはシャルの美顔、微かに香るイルミのいい匂い。
こんなカッコイイ男の人に囲まれるのは私の人生史上初の体験でかなり困った。
挙動不審になってしまう。
「あ、出たユイの困り顔。その顔好き!」
「誰に対して困ってるの?」
「え?…えっと…」
シャルは俯く私に優しく微笑むと、そのまま早足で去って行ってしまった。
忙しいって言ってたけどほんとに忙しそう…
「リネルー ボクにヘルプもさせようなんてシャルも人遣い荒いよねぇ?」
「ん~ でも私はヘルプのコよりもヒソカにお金使ってあげたいからそっちのがいいかも!」
「かわいいこと言うねリネルは♡じゃあいつもの入れていい?」
「うんっ!みんなで一緒に呑もーっ!」
リネルさんはヒソカに身体を預けながら言った。
イルミに「ヘルプって何?」って聞いたら、お酒作ったりおしぼり替えたりするお世話係みたいのだって教えくれた。
色々あるんだな。