第6章 エゴイズムな純情戀歌《後編》* 豊臣秀吉
「も、きちゃうっ…ぁ、あっ……!」
「……っ美依……!」
「あっぁあんっや……っ………!!」
────そして、甘美な高みへ
貴方と一緒に……弾け飛ぶ刹那を
「ぁあぁぁぁ………っっ!!」
「……っん………!」
────びくんっっ!
私は躰を痙攣させ、そのまま波に攫われた。
秀吉さんも私の最奥を突いて、息を詰め腰を震わせ…
直後、熱いものが躰の中に流れてくる。
ああ、秀吉さんが…中だ。
お腹が温かなもので満たされていく。
それを実感してしまい、すごく幸せで。
ついに瞳の中で堪えていた雫が、ぽろりと溢れてしまった。
秀吉さんはゆっくり私の中から引き抜くと、微かに息を整えながら見つめてきて…
そして、その無骨な指で、私の涙をそっと拭った。
「悪い…やりすぎた」
「……」
「俺、お前に謝ってばかりだよな」
「秀吉さん……」
(もう、どうして、貴方は……)
愛しさで胸が潰れそうだ。
優しさ、激しさ、艶っぽさに獰猛さに。
色んな秀吉さんをたくさん見られた気がして、すごく嬉しい。
私は腕を伸ばし、ぎゅっと秀吉さんを引き寄せて…
そして、耳元で囁く。
『もっと貴方が欲しい』と。
私も私自身をみっともない程に曝け出す。
すると、秀吉さんは困ったように笑って。
また優しく唇に温もりを落とす。
そのまま『本当に幸せだ』と…
私を苦しいほどに抱き締めた。
想いを繋げて、躰を交えて。
私達はもどかしい想いを、必死に伝え合った。
貪欲にお互いがほしくて…
もう、おかしくなるくらいに熱を分け合って。
酷く、満ち足りた一時だった。
私は兄妹みたいな関係。
でも、どちらかが一歩踏み出せば…
その関係はあっさり崩れると、お互いに解っていたのかもしれない。
────もしかしたら、ずっと
こんな関係になるのを待っていたのかな
秀吉さんの手に、唇に翻弄されながら私は…
偽りの兄を失い、真実の恋人を手に入れた。
二人でトロトロに溶け合いながら…
甘美な刹那を抱き締め、いつまでもその時に溺れていった。
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