第6章 エゴイズムな純情戀歌《後編》* 豊臣秀吉
「ぁあんっ…んっぁあ、ぁっ……!」
「美依……っ」
「んっ……!」
掠れた声で名前を呼ばれ、唇を塞がれる。
すぐさま奥までまさぐられ、吐息も奪われ息もできない。
必死に応えているのに、舌も絡め取られて何も考えられなくなる。
でも躰の中を犯す熱は暴れるから…
どこにも逃げ場がなくて、全身で受け入れるしかなくて。
(こんなの…どこに隠していたの?)
いつも優しく穏やかな秀吉さん。
みんなの兄貴分で、いつも余裕たっぷりで。
大人な態度で、誰からも頼りにされていて…
でも、今の秀吉さんは。
ひたすらに私を求めて、貪欲で。
えげつないほどに、攻撃的だ。
だけど───………
私はそんな姿を見たかった。
奥に隠されている、激しい情熱。
それを感じたかった、貴方の……
────なりふり構わない愛情を
「はぁっ…ぁっあっ、秀吉、さっ…!」
苦しくなって思わず唇を離せば、秀吉さんはぺろりと口を舐めて微かに笑みを浮かべた。
そして、首筋に顔を埋めてくる。
直後、ピリッとした痛みが走り…
秀吉さんは鋭い律動もそのままに、私を間近で見下ろしながら妖艶に言葉を連ねた。
「美依…っ、お前は俺の、だろ?」
「ぁっぁあっ…も、らめぇ……っ!」
「また気をやるか?はぁっ…俺、も……!」
「んぁっぁあっ…秀吉、さんっ…!」
熱っぽい視線に絡み取られる。
もう、秀吉さんしか見えなくなって。
そして、躰はまた一気に駆け上がっていく。
一回達して、敏感になっているのかな。
さっきより、もっともっと気持ち良くて。
まるで、躰中が熱の塊になったみたいに熱い。
でも、蕩けていく。
形が無くなるほどに溶けていってしまう。
もう、私が私を保っていられない。
(秀吉さんの、熱が欲しい)
秀吉さん以上に、私も貪欲だ。
このお腹の中に貴方が欲しいと…
その一心で、ぎゅうぎゅうと締め上げてしまう。
でも、蕩ける頭で見上げていれば…
秀吉さんの顔も、なんだか蕩けてる気がして。
ああ、きっと気持ち良くなってくれてる。
それが解って───………すごく嬉しい。