第6章 エゴイズムな純情戀歌《後編》* 豊臣秀吉
「あっ…秀吉、さ……」
もう逃げられない、でも逃げないよ。
ちゃんと受け止めるから…深く、愛して。
焦がれた声まで紡げなくなる程、私は秀吉さんに絡め取られていった。
見上げた天井、上から見下ろす秀吉さんの瞳が、濃く鮮やかに煌めいていて…
そう、あの夜の日のように。
真紅の熱情が、今度こそ私自身に甘美な熱を与えていったのだった。
*****
『お前の裸見たら、欲情しちまって』
秀吉さんは、いつから私を好きだったんだろう。
でも、私を御殿で預かると言った時は…
まだ確かに『兄と妹』だったんだ。
いつも優しい秀吉さん。
ベタッ可愛がりで、甘やかしてくれる。
そんな秀吉さんが…
『女』として、私を見ていたなんて。
でも───………
すごくすごく、嬉しかったよ。
私を見て、理性を飛ばした秀吉さんが、
なんだか少し可愛いとも思ったし。
私を蕩かす指も、唇も、
いつしか私を捕らえて離れられなくさせた。
すきだよ、だいすき。
私をもっと『貴方だけの女』にして。
「ぁっ…ぁん…っあ、や………っ!」
熱い舌が、私の蜜部を這いずり回る。
脚は大きく開かされて、固定されてしまって。
その脚の中心に顔を埋める秀吉さんが、いやらしく私を責めていく。
ぴちゃっぴちゃっと啜る水音とか。
熱い息がかかる感じとか。
それらが全て気持ち良くて、私は仰け反りながら甘い声を漏らすしか出来ない。
(こんなの、太刀打ち出来ないよ…!)
巧みな舌使いが、私を狂わす。
お腹の中が、ぎゅうっとなって熱くなって。
そして、なんだか切ない。
躰全体が崩れて、トロトロと流れていってしまいそうだ。
「んっ…美依……」
「そ、んな…したらぁ……」
「気持ちイイ、だろ?」
「……っひゃあ!」
秀吉さんが膨れた蕾を指で弾いたので、思わず変な声が出た。
すると秀吉さんは、指の腹で円を描くように蕾に触れながら、蜜口も器用に解す。
どんな風に手を使っているのだろう。
本当に秀吉さんは、こういう部分まで"男前"なんだ。
その愛撫は、私をさらに崩していく。
もう、みっともなく喘がされ…
私をいやらしく華咲かせていく。