第5章 エゴイズムな純情戀歌《前編》* 豊臣秀吉
「美依……」
「んっ……!」
俺は肩にあった手で美依の頭を抱え込み、その桜色の唇を奪った。
薄く開いた口から舌を差し入れ、美依のそれもすぐさま絡め取る。
美依はびっくりしたように目を見開いていた。
でも、一旦タガが外れたものは、もう修復不可能に近い。
俺は美依の上顎をくすぐったり、舌の付け根まで自分の舌を滑り込ませたりして、口内の性感帯を刺激していく。
さすれば、次第に見開いていた瞳は潤み…
僅かな隙間から、甘い吐息が漏れ出した。
「んっ、んぅ…ふ、んん……っ!」
(ああ、すごく可愛い…堪らない)
口づけで蕩け始めてる。
今まで見たこともないような、可愛い顔で。
それは俺の心を煽り、芯から滾らせていく。
俺は腰あたりを撫でていた手を前に滑らせ、胸元をやわやわと探り始めた。
そして、その手に胸の丸みを捕らえると、俺は優しく揉みしだきながら親指で胸先を弾く。
すると、美依の腰が大袈裟に跳ね。
唇が離れると、そこからはさらに甘ったるい声が響き始めた。
「やっ…ぁ…っなに、して……!」
「美依……」
「やめっ、ぁ、あっ…ん……っ」
「悪い、止めてやれない。お前が可愛すぎて」
胸を愛撫すると、次第に胸の先は赤く充血して硬くなってきて。
ぴんと立ち上がっては、存在を主張する。
感じていなければ、女の躰はこうならない。
だから、美依が感じていると思うだけで、さらに沸き立つような心地を覚えた。
美依は躰まで素直なんだな。
それは可愛すぎて、本当に参る。
このまま、俺のものに…ならないか?
気持ちが高ぶる。
駄目だと解っているのに、何もかもかなぐり捨てて美依に触れたいと思ってしまう。
でも、こんな事したら嫌われるかもしれない。
それも頭の片隅にあったけれど…
その時の俺は、それすらもどうでもよくなっていた。
ただ、この温かな熱に触れたい。
肌の柔らかさを感じたい。
たくさん、甘い声を聞きたい。
それだけが俺を走らせて…
美依をまた快感に押し上げていく。