第4章 蒼き隻眼竜の逆鱗 * 伊達政宗
「ぁっぁあんっ…政、宗ぇ…!」
「…っ中、絡みついて、堪んね…!」
「やっ…もう、来ちゃ、うぅ…!」
「くっそ、本当に可愛いな…もっと好くなれよ、美依っ…!」
『政宗にヤキモチを妬かれたい』
そのお前の作戦は大成功だったな?
信長様には物申す必要があるが…でも。
雨降って地固まる。
俺達はもっと、お互いを解り合い…
そしてまた、想いを強くした気がした。
俺をこんな気持ちにさせるのはお前だけだ。
多分反対も然り、お前にそうさせるのも俺だけ。
お互いに想い合って、たまには空回りして…
また、お互いの繋がりを強くするのだ。
────美依、愛してる
その日の"仲直り"は酷く濃密だった。
呆れるほどに抱き合った俺達は、畳の上で丸くなり二人で少しだけ眠った。
今はとても寒い冬だけれど。
二人で抱き合えば温かい、温もりを分け合いながら…
やっぱり夢より現実のお前がいいなと、俺はその腕にある存在を愛しく想ったのだった。
*****
「わっ…美味しそう!」
「だろ?お前のために作ったんだ」
二人で少しばかり眠った後。
俺達は台所に来て、俺は朝に作った甘味を棚から取り出した。
簡単な饅頭だが、茶と一緒に食えば絶品だ。
それを見て美依はニコニコしているし…
それを見るだけで癒されるな、と。
俺は頬を緩めながらひとつ手に取ると、美依の口元にそれを差し出した。
「ほら、あーんしろ」
「えっ…」
「いいから今食ってみろ、美味いから」
「じゃあ、いただきます…」
美依は若干頬を染めながらも、大人しく口を開く。
こいつの口の大きさに合わせて、少し小さめに作ったから、一口でいける筈だ。
それを美依の口に入れてやると、美依はもぐもぐと咀嚼し、すぐに目を輝かせ…
そして、華やいだ笑顔になった。
「おいしーい!!」
「だろ?俺が作ったんだからな」
「さすが政宗!天才!」
「ははっ、もっと褒めろ」
(あー、このやり取り幸せだな)
思わず、それを噛み締めてしまう。
すると、美依は俺をじーっと見つめてきて。
また少し頬を染めると、少し恥ずかしそうな素振りで口を開いた。