第4章 蒼き隻眼竜の逆鱗 * 伊達政宗
「おい、美依」
「ひゃっ……」
俺が少し躰を離し、美依の頬を掴んでみょーんと伸ばすと、美依は素っ頓狂な声を上げた。
本当にお前にはやられた。
振り回す事はあっても、振り回されるのには慣れていない。
俺は美依の顔を覗き込み、わざと眉を釣り上げると…
美依に怒っているように、頬を何回もつねった。
「これが逆の立場だったらどうだ?俺が他の女の口づけの痕を残してたら…お前だってすげぇ怒るだろ」
「ひょの通りでふ……」
「言っておくが、お前の躰は隅々まで俺のだ。わざとだって痕なんて駄目だ、解ったな?!」
「ご、ごめんなひゃい……!」
「ったく……」
俺がふっと笑みを零し『仲直り』の証に、ちゅっと唇を軽く啄むと、美依も嬉しそうに笑みを向けてきた。
ったく『俺がヤキモチを妬いてくれない』って…可愛すぎるだろ。
美依は何も解っちゃいない。
確かに中途半端にお前に色々してくる奴になら、嫉妬はしないが…
お前を本気で思って色々してくる奴には嫉妬もする。
本当に、斬って捨てたいくらいに。
────それだけ俺は、お前に本気なんだ
「なぁ…美依」
「うん?」
「せっかくだから、最後まで"して"おくか」
「えっ……」
「お前の姿見て、結構高ぶってんだよな、今」
「ん……っ」
はだけて剥き出しの胸元を優しく啄めば、美依は震えてまた肌を赤くさせた。
本当に愛しくて、焦がれて。
お前を想わない日はないから。
だから…欲しい。
今度は優しくするから。
そう伝えれば、美依は小さく頷く。
それを合図に、畳に押し倒して…
今度は優しく、丁寧に溶かしていく。
みっともねぇ姿。
こんなになるのは、お前の前だけだ。
本当はお前だからこそ見せたくない。
嫉妬に駆られ、激情に溺れる自分も。
変に傷つき、情けない顔をしている自分も。
お前には格好悪い所は見せたくない。
けれど───………
ありのままの自分を見せられるのも、ひとつの『格好良さ』なのかもしれないな。
お前だから曝け出せる。
もっと俺の本性を暴いていい、だから、
────俺の何もかもを、愛してくれ