第4章 蒼き隻眼竜の逆鱗 * 伊達政宗
「こんな痕…付けられやがって」
「……っ、これは……!」
「黙ってろ、今すぐ上書きしてやる」
「あっ…!」
ちゅぅっ……
俺がその痕の上からきつく吸い上げると、美依は肌を儚げに震わせた。
この白い肌は俺のものだ。
そして、華を咲かせていいのは俺だけだ。
こんな『愛された』証みたいな…
他の男の唇が触れたという事実に、虫唾が走る。
「政宗…っ痛い……!」
何度も何度もそこを消毒するかのように強く吸い付き、そして離せば、濃い赤が上塗りされたようになった。
俺の痕になったな…と、少しだけ満足して。
そして美依の顔を伺えば、何かを堪えるように目が若干充血していた。
「これで、ここはいい」
「痛いって言ったのに…!」
「普通に口づけたら、俺の色にならないだろ」
「政宗……っ」
「躰中に教え込まないとな、お前は俺の女で…どれだけ俺に愛されてるのかを」
「あっ…や……っ」
俺は美依の両手首を捕らえると、片手一本で頭の上に固定した。
そして、空いた片手で胸元をまさぐる。
他にも痕が付いてないか、隅々まで探さないと。
そして…その全てを俺で上書きしないと。
襟の合わせを開き、柔らかな胸を取り出し…
その白い膨らみを舐めるように見れば、そこには痕のようなものはひとつもない。
だが───………
信長様はここにも触れたかもしれない。
それを思えば、俺の逆鱗に触れた。
(────俺の、女だ)
触れていいのは俺だけの特権。
そう、他は全て"無い"んだよ……!
「あっ…政宗ぇ……!」
俺は美依の胸先に思いっきりしゃぶりついた。
飴玉を転がすように、舌でその粒を嬲って吸い上げて。
そして、手でも揉みしだく。
この感触、信長様も味わったのか。
柔らかく吸い付いてくるような肌を、この愛らしい膨らみを。
そんな事はあってはならない。
美依が理由を言わない以上…
俺にとっては『奪われた』感覚のが強いのだから。
だったら奪い返さねば。
信長様が触れた感触なんて、絶対美依の中に残してはならない。