第23章 拗れた微熱は指先に溶けて《後編》* 石田三成
─────ねえ、美依様?
貴女とすれ違って思った。
貴女が深く私の中に入ってきていて、
そして、全てを掻っ攫っていったのだと。
貴女が居なくては……
私の心は、空っぽになってしまうのだと。
何もかも丸ごと奪った貴女だけど、
私に色々なものを与えてくれたのも確かで。
貴女の為に私もたくさん与えてあげたい。
めいっぱいの愛と、熱と、
焦がれる程の熱情を、全て伝えたい。
「あ……っ三、成、く……!」
「んっ…気持ち、いいですか……?」
「あっ、ぁ……っ擦れ、て……!」
「好い、なら…もっと、感じてください」
熱く濡れた蜜部が触れ合う。
くちゅくちゅといやらしい音は、まるで本当に中に挿入しているかのようだ。
美依様を抱き締めて腰を動かして、久しぶりの睦み合いに浸るだけで……
心が潤い、空っぽだった全てが満たされる。
(っ…擦っているだけで、堪らない)
脚に挟まっているから、その圧迫感が美依様の蜜壺のようで気持ちいい。
本当に穿いていると錯覚するくらい。
美依様の吐息も間近で感じるし、腕の中の愛しい人は顔を蕩かしているから。
今日はこれでいい、十分すぎるくらい幸せだ。
私は美依様の腰を引き寄せ、さらに動きを加速させながらその首筋に顔を埋めた。
「はぁ…美依様の匂い、好きです。貴女の躰も、心も、肌も熱も…何もかもが大好きです」
「私も…三成君が、だいすきぃ……っ」
「美依様と、果てたい…だめ、ですか?」
「んっ…いいよ、一緒に…あっぁん……!」
触れ合いが深くなると共に、美依様の声も甘く高くなっていく。
昼間だし、誰か聞いてたらと思うと少しばかり羞恥を覚えるけれど……
これは『仲直り』だから目をつぶってほしい。
初めて喧嘩して、また和解して絆を深めて。
そんな睦み合いであるから、今は私達をいい意味で放っておいてくださいね?
─────貴女を愛してる
今日も明日も明後日も。
未来も、きっと来世でも。
貴女を感じて、愛を注いで、
すれ違いも絆を強くするきっかけ。
私達はもっと深く愛し合えるのだから。
だから、ずっと一緒に居ましょう。
私を……貴女の甘い微熱で溶かして。