第23章 拗れた微熱は指先に溶けて《後編》* 石田三成
「美依、様っ……」
唇の僅かな隙間から再度名前を呼んで、美依様に覆い被さるように躰を動かした。
熱い吐息が絡んで、火照る肌をまさぐって。
美依様は変わらず『私自身』に触れていてくれるから、腰から這い上がるように痺れが走る。
と、先からとぷりと露が漏れたのが解った。
美依様の手が気持ち良すぎて、堪えたって本能的なものは抑えが効かない。
絡むだけ絡んで唇を離せば、艶やかな銀糸が伝う。
その伝った視覚と感覚すら快楽を感じた。
(駄目でしょう、これ以上はさすがに)
美依様は体調が悪い。
熱があるのに、私に付き合ってくれているのだ。
そう思い躰を起こそうとしたら、美依様が私の腰をぎゅっと引き寄せてきた。
そして、溶けた瞳で見つめてくる。
「やめないで……っ」
「でも、本当に止まれなくなってしまいます」
「大丈夫だから、三成君……っ」
「っ……」
その目は反則でしょう。
真っ赤にさせて、潤ませながらも意志が強くて。
そんな目で見られたら、必死に繋ぎ止めている理性の糸が切れてしまう。
いや、こんな事をしている時点で理性的ではないのは重々承知だ。
それでも、切れる一歩手前で踏みとどまっているのに……
────貴女は、こんなにも綺麗だから
熱に揺れる顔も、少し掠れた声も。
火照った白い肌も、荒れた吐息も。
貴女という存在は、こんなにも美しい。
それが私を狂わせる、理性を破錠させて……
私を卑しい淫欲の獣に堕とすのだ。
「貴女は、本当に……!」
「あっ……」
私は美依様を掻き抱き、その脚の付け根にするりと熱杭を挿し込んだ。
そして、その熱で濡れた秘部をゆっくり擦る。
ぬるぬると美依様の蜜で滑って、そのまま中に挿入ってしまいそうだが……
それはしないように、私は緩く私の雄と美依様の雌を触れ合わせた。
「今日は互いにこれで我慢です」
「っ……」
「今は貴女に無理はさせたくない、体調が戻ったら……その時思いっきり愛させてください」
美依様は私を見つめ、小さく頷く。
本当に聞き分けのいい、良い子です。
私は美依様の額に優しく口づけ……
そのまま脚の間で抜き挿しを開始させた。