第23章 拗れた微熱は指先に溶けて《後編》* 石田三成
────微熱にゆっくり溶ける
拗れた思いも、醜い嫉妬心も、
全て混ざってとろりと蕩けていく。
喧嘩して仲直りして、絆が深くなったら
一層貴女が欲しくなった。
私は熱い肌に手を這わせながら、久しぶりに触れられる悦びに満ちる幸せを感じていった。
そして呑まれる、蜜な感情に。
それに蕩心して浸ってしまえば……
もう美依様しか見えなくなっていった。
*****
ねえ、美依様。
風邪を引いた貴女に欲情する私に、本当に呆れるでしょう?
でもずっと貴女に触れられていなくて……
久しぶりに触れられると思ったら喧嘩してしまって。
私は自分でも知らず知らずのうちに、限界が来てしまっていたのだろうなと思う。
だから、貴女に触れさせてください。
今は少しばかり、我慢が効かないようだから。
ゆるりと微熱と溶けて───………
貴女の熱い躰を堪能したいのだ。
「んっ…三成、く……っ」
「気持ちいいですか、美依様?」
「あっ…いい、よぅ……っ三成、くんは?」
「はい、気持ちいいです…すごく」
美依様の横に一緒に寝転び、そのまま脚を開かせて、その中心に指を這わせる。
触れることでしっとりと潤った蜜部は、私の指をすんなりと受け入れて、きゅうきゅうと締め上げた。
同時に美依様の手も、私の熱に触れている。
緩んだ袴から飛び出している荒々しい熱杭を、小さな手が扱いているのだ。
私達は互いにいやらしい部分に触れて、互いを気持ち良くさせている。
淫靡な水音が静かな部屋に響き、荒れる吐息も混ざって甘い和音を描いて……
静寂の中に混じるそれらは、より一層私を高ぶらせる材料になった。
「はぁっ…美依、様……」
「んっ、ぁ……っ気持ち、い……っ」
「っ……本当に可愛いな、貴女は」
「んぅ……っ」
私は顔を近づけ、その唇を塞ぐ。
熱い、しっとり濡れた熱が絡んで気持ちいい。
いつもより気怠げな美依様が蕩けるたびに、私の心も体も熱くなっていく。
ああ、今の状態で貪ってはいけないのに……
『もっと』が強くて、貴女を攻めたくて堪らない気持ちになってしまう。