第3章 拝啓 愛しい君へ《後編》* 明智光秀
「美依、愛している」
「私も…愛してます」
「少し…動くからな、もう少し頑張れ」
「ぁっ…ん、ぁあ……っ!」
愛しさが混じって、煌めく。
色濃い空気はますます染まり…
俺達だけの『永遠』を作っていく。
今日は酷く寒い、冬の日。
それでも、俺達は熱を上げて…
抱き合いながら、焦げる程の熱情を交わした。
"好きだ"も"愛してる"も言葉では足りない。
温もりを分け合い、全てを共有しながら…
また互いを知り、更に好きになるのだ。
俺達は飽きる事なく触れ合いながら、お互いの熱に溺れていった。
その時間は鮮明に色付いて…
この世に俺達しかいないのだと錯覚を起こすくらい、満ち足りたひと時だった。
*****
(よく眠っているな…可愛い)
それから、ひとしきり愛し合い…
俺は眠りに落ちた美依を抱き締め、優しく髪を梳きながら幸せの余韻に浸っていた。
乱れた美依の姿を思い出すと、思わず口元に笑みが浮かんでしまう。
快感に溺れる美依は、本当に愛らしかった。
あんな風に可愛い姿は…
誰にも見せたくないし、見るのは俺だけの特権だと思うと誇らしくも思う。
────"ここ"に熱も注げたしな
美依の腹を撫で、また笑みが漏れる。
美依は本当の意味で俺に染まった。
それが嬉しくて嬉しくて…
俺を鮮明に覚えていられるように、もっと愛したくなってしまう。
だが、今は疲れさせたから…
それはまた今度の楽しみとして取っておこう。
あどけない美依の寝顔を見ながら、額に優しく唇を押し当てた。
すると、それが合図かのように…
美依がふわふわとした様子で、そのまぶたを開いた。
「あ…光秀、さん……」
「……おはよう、美依」
「私、寝ちゃってました…?」
「少しだけな。まだ夜明けまで時間がある…もう少し眠って身体を休めろ、辛いだろう?」
今はまだ夜明け前で外も暗い。
美依も眠ったと言っても、ほんの半刻ほどだろう。
身体は辛いに決まってるから、休んでほしいのに…
美依は俺に引っ付きながら、首を横に振った。