第20章 君色恋模様《後編》* 真田幸村
────愛してる、美依
今もこれからも、夫婦になってもずっと
「っ……も、出るっ……」
「ゆ、き……っぁあぁぁ……っっ!!」
「っ、締めんな、ばかっ!」
二度目の絶頂を迎えたと思われる美依が、中を搾り取るように締め上げて。
その瞬間押し寄せた激しい悦楽の波に呑まれ、俺も熱情を解放した。
突き抜ける快感が襲い、それを堪えることもせず幾度となく己を放つ。
手足が痺れ、目の前に星まで見えた。
そんな"好い"の極みを感じながら、美依の躰の上で脱力する。
熱い肌が触れ合えば、それは心地良く……
無意識に躰を掻き抱くと、美依も俺の背中に腕を回してきた。
「はぁっ…気持ちいい……」
「も…幸村の、ばかぁ……」
「……なんでばかなんだよ」
「いきなり奥まで挿れて、待ってって言ったのに全然止まってくれなかったし……っ」
「好かったんだからいーだろ」
顔を見れば、美依は若干ふてくされている。
欲しがったのはそっちなのに、怒られる意味が解らない。
でもそんな顔も可愛くて、参るな。
そう思いながら『悪かった』と一応謝り、まぶたに口づけてやったら、美依は満足そうに口元を緩めた。
どこでへそを曲げて、どこで直るのか、未だに掴めない奴である。
と、その時だった。
バサッ……
「………!」
突然二人の躰の上に何かが落ちてきて、俺達は思わず眉を顰めた。
見れば、真横に掛かっていたはずの白無垢が、衣桁から落ちて躰に被さっている。
想いを交わしている時、知らず知らずのうちに裾辺りを引っ張ってしまっていたか。
純白の滑らかな生地が、熱い肌に吸い付くように馴染んで……
俺は思わず、心に思ったことをぽつりと口に出した。
「……花嫁をあんまりいじめんなって事か?」
「ふふっ、そうかもね。反省しなさい」
「んだよ、生意気」
「んんっ……」
俺はそのまま美依の唇を塞ぐ。
思考を奪うように、全て絡め取ってやったら…
美依は蕩けた顔を、ますます可愛く蕩けさせた。
あー、全然足りねー。
火照った躰はまだ熱い、このままじゃ際限なく求めてしまいそうで……
己の中のえげつない渇望に、内心苦笑してしまった。