第20章 君色恋模様《後編》* 真田幸村
「ぁっ、あっ…ぁあんっ、や……っ」
「いい声…っ美依……」
「そ、んな…っしちゃ、だめぇ……!」
「なんで、欲しかったんだろ?」
ぐちゅぐちゅと酷い水音を響かせながら、昂りで滑らかに抽挿を繰り返す。
それでも中はぎゅうぎゅうと締まっているから、引き抜く事で閉じてしまった洞を、またこじ開けてねじ込んで。
そうして生まれる快感は半端ない。
内壁で擦れ、搾られるからもう堪らなく気持ち良くて……
(……っ全部持っていかれそうだ)
意識も熱欲も全部。
全てぶっ飛んで、真っ白になりそうになる。
吸引力と言うのか、美依の全てに魅せられて囚われてしまいそうになるのだ。
それも躰の下で悶える、お前が可愛すぎるせいだ。
全て美依のせいにして、ひたすらに責め立てた。
「美依…っもっと……!」
「ひゃあ……っっ!」
それでもえげつない情欲に駆られて、もっと奥深い場所まで愛したくて。
美依の片脚を肩に掛けさせ、前に重心を掛けながら、さらに深部を突き上げる。
奥の口に先がめり込む感覚がし、美依が悲鳴に近い素っ頓狂な声を上げた。
あー気持ちいい、最高だ。
無我夢中で腰を振り続ければ、高みは間近に迫ってくる。
チカチカと目の前に火花が散って……
もう、それしか知らないみたいに美依の名前を呼んだ。
「美依……っ美依…!」
「ゆ、き…っあぁぁ…っ!」
「好きだ、美依…愛してる」
「私も、幸村を…愛してる……っ」
(ったく、もうへろへろのくせに……)
しっかりこちらを見つめて、言葉を返してくる美依が愛しくて堪らない。
染まった頬も半開きの濡れた唇も、熱を孕んだ瞳も。
全てが好きだ、愛しい俺の宝物だ。
二人で一緒に駆け上がる。
真っ白な頂点を目指して、高ぶる気持ちのまま。
いつしか躰の輪郭は無くなって、美依と混ざり合って。
ひとつに溶け合ったなら、もう分かつのは無理のような気がした。
きっと……俺達は自分の足りない欠片を求めて惹かれ合った。
そう、初めからひとつの存在だったのだと。
それを痛感させられる程に、愛し合うことが必然的だったと思うのだ。