第18章 鴇色の華に魅せられて * 織田信長
「全く…本当に手に負えんな、貴様」
「え、私何をしでかしました?!」
「そうだな、教えてやってもよいが…条件がある」
「条件?」
目をぱちくりと輝かせる美依。
そう、俺は本来ならば『攻められる』より『攻める』方が好きだ。
あのとろっとろに蕩かす快感は、何者にも勝るものは無い。
つまり俺が求めるのは…『仕切り直し』だ。
「今日は天主から出ない事だ」
「へ?」
「一日存分に啼かされろ、それでいい」
「っそれじゃいつもと変わらな……!」
「────美依」
俺は美依の言葉を遮り、小さな体に乗り上げた。
そして、美依を褥に縫い付ける。
美依は下から目を輝かせて俺を見てきて。
やはり『こっち』だなと確信した。
俺は啼くより啼かせる方がいい。
貴様を芯から溶かして、気持ち良くさせて…
自ら動いで、その身に注ぐ。
それが最高に愉しくて、甘い刺激だ。
────そうだろう?
「変わらずで良い。新しい貴様を発見したのは一興だが…それは俺を少々辱める。そうさせた仕置きは受けてもらわねばな?」
俺の言葉に目を見開く美依。
何の事か解っていない貴様に説明せねばなるまい。
昨夜の貴様を、鴇色に染まって…
艶やかに乱れた刹那を。
「な、何したんですか、私」
「条件を飲むなら、それを今から説明してやる」
「聞きたいような、聞きたくないような……」
「選ばせてやる、決めろ」
「うっ…解りました」
「では……耳を貸せ」
そうして、語られる蜜話は、案の定美依を驚かせて酷く混乱させた。
酔っ払って俺に襲いかかり、そして自ら攻め立てたのにも関わらず覚えていないなど……
本当に、貴様は面白い女だ。
(思った通りの反応も、愛らしいがな)
真っ赤になって慌てふためく貴様を見て、それをまた組み敷くのも悪くない。
条件を飲んだのだから、今日はもう天主から出す気はないから……
今度は存分に啼かせられる。
俺の色に染めて、たくさん好くしてやりたい。
考えてみれば、昨夜はほどんど貴様に触れる機会は無かったのだから……
今度は俺から、貴様に触れさせろ。