第18章 鴇色の華に魅せられて * 織田信長
「はぁんっ、ぁっ…のぶ、様ぁぁ!」
「美依……っ」
「イイ?気持ち、イイ、ですか…っ?」
「ああ……っ堪らん」
律動の合間に、言葉を途切れさせながら、美依はこちらの様子を伺ってきて。
朱に染まった頬、潤んだ瞳に、半開きの唇。
自身も蕩け顔を晒しながら、それでも俺に『好いか』なんて、そんなの答えは決まっている。
(そんな貴様を見ているだけで、もう)
俺の上で一生懸命動いて悶える美依。
目の前で乳房がたわわに揺れ、それだけで視覚からも犯される。
熱い肌が触れ合い、そこから焦げるような心地も覚えて。
二人一緒に駆け上がるのは普段と同じでも、今宵は『与えられている』という感覚が強いから…
それでまた満たされるものがあるのだと、正直驚くくらいだ。
「美依…っもっと、動け……」
「……っのぶ、なが、様……っ」
「もっと腰を使ってみろ…このように」
俺は上下に動いている美依の腰を掴み、今度は前後に滑らせてやった。
さすれば美依は俺の顔の横で手を付き、導いてやった通りに腰だけを前後にかくかくと動かし始める。
また角度が変わり、また刺激される部分が変わって、違う快感が生まれて……
美依は背中を反らしながら、夢中で腰を振り始めた。
「あっぁんっ…気持ち、イイ……っ」
「なら良い…はぁっ…堪らん」
「のぶ、様ぁ……!」
「んっ……」
すると、腰を動かしながら俺にしがみつき、噛み付くように唇を重ねてきた美依。
その口づけはすぐさま深くなり、舌や唾が絡み合って甘い水音を立てる。
俺も美依の背中に腕を回し、頭も抱えてぐっと引き寄せて。
髪までしっとり汗をかいている美依が、可愛らしくて心が芯から疼いた。
────貴様は、どこまで俺を惹き付ける
『かれし』になって随分経った。
それでもまだ知らない事だらけだ。
貴様の全てを奪った気でいたけれど……
まだまだ知らない一面があって、顔があって。
その度に驚き、心が湧く。
こんなものを内面に秘めていたのだと…
また違う貴様を知れて、嬉しく思う。
ああ、やっぱり溺れているな。
その事実は決定的、燃ゆる熱情に浮かされて…
今日も貴様を愛しく感じるのだ。