第18章 鴇色の華に魅せられて * 織田信長
「肌、熱くなりましたよ…イイの、信長様?」
「だいぶ酔っているな、貴様」
「いいんです〜、今すごく気持ちいいから…今日は私から信長様に"して"あげますね」
「は……?」
すると、美依は跨った状態で上半身を起こし、自分の帯を緩め始めた。
あれよあれよという間に帯を引き抜き、腰紐を解いて着物まで脱ぎ、襦袢一枚の姿になった美依。
次は貴方の番だと言うように、今度は俺の着物の帯に手を掛ける。
あっという間の出来事に珍しく頭がついて行かず……
俺は着物を乱し始めた美依の手を掴み、唸るように言葉を発した。
「美依っ…何をする」
「今日は私が信長様を気持ち良くするんです〜、いっぱい"して"あげますからね」
「何を戯けた事を……」
「いつもは私が溶かされちゃうから…今日はのぶなが様が蕩けるの、だから、止めちゃらめです…っ」
美依は掴んだ俺の手を振り解き、また体の線に沿うように撫で始める。
その手は熱く、美依自身も体が火照っているようだった。
現に顔は朱に染まっているし、漏れる吐息もなんだか艶めかしくて……
酷く興奮している様子なのが、手を取るように解る。
美依は俺の着物の帯を引き抜くと前をはだけさせ、長襦袢の中に手を忍ばせてきて。
直に肌に触れ、太腿辺りを撫でていたかと思ったら……
「っ……」
『俺自身』を包む布越しにそっと撫でてきたので、俺は思わず腰を跳ねさせてしまった。
普段の閨では恥ずかしがって、あまり触れたりしてこないくせに……なんだ今宵は。
膨らみに合わせて下から上に、擦るように手を動かされて、否が応でも反応してしまう。
俺が息を詰めると、美依は手を動かしながら俺の顔を覗き込んできて。
まるで恍惚としているようなその顔は、やたらいやらしく色っぽい。
「ふふっ…感じてる、信長様」
「貴様が触れるからだ……っ」
「もっと、蕩けていいんです……そんなお姿、見たいなぁ」
「……っ、勝手にしろ」
ついに俺は抵抗を諦めた。
今日の美依はやたら強引だ、そして積極的で大胆不敵で。
そんな姿も愛らしいと思ってしまえば、もう手に負えない。
したいようにさせてやろうと、すでに俺の頭の中は溶け始めていたのかもしれない。