第18章 鴇色の華に魅せられて * 織田信長
『いつもは私が溶かされちゃうから…今日は信長様が蕩けるの』
閨で美依が蕩ける姿を見るのが好きだ。
いつも俺から美依を攻め、形が無くなるほどに溶かして好くして。
だが、それで俺がいつも平常を保っていたかと言えば、そうではないという事なのだが、それは美依には解らないらしい。
だから、このような事を言うのだろう。
俺を蕩けさせたい、そんな貴様も愛らしいから……
だから好きにさせてやるのだ。
────そう、貴様に攻められ
崩れるのも…たまには面白いだろう?
「ん……っ美依……」
そうして、いつもとは逆の閨事が始まった。
酔っ払った美依、いつもより淫らでやたら強気の貴様も、愛しく思えてしまうから。
結局は美依に甘いと言ってしまえば、それまでだがな?
ぽっかりと蜂蜜色の月が浮かぶ。
天主には少し冷たい秋の風が入り込んで…
火照った素肌を、そっと撫でていった。
*****
「……はぁっ……」
「んっ…んむぅ……」
「美依……っ」
躰が熱い、いつもよりずっと。
それはやはり美依に触れられているからか。
酷く息も荒い、普段より過敏になっている気がする。
酔わされたか、美依に。
そのいつもとは違う、大胆な色香に。
「……っは、ぁ……っ」
自分ではないような、甘ったるい声が漏れる。
先程から美依は俺の脚の間に顔を埋め、屹立する熱を愛撫していた。
手で根元を扱かれ、敏感な先を柔らかな舌で舐められる。
そうされて生まれる刺激は酷く甘美で、腰が痺れたようにゾクゾクと疼いた。
美依に俺自身を愛撫させたのは、それこそ数回数えるほどしかない。
『やってみたい』と申し出た美依に、やり方を教授した事が一、二回。
そして、何かの仕置きだと…わざとやらせてみた事が一、二回。
その程度しか記憶にないが、美依はしっかりやり方を覚えていたようだ。
(……っ、嬉しそうに咥えているな)
仰向けの姿勢から少しだけ頭を上げて美依を見れば、明らかに喜んでいる。
前は照れていたくせに…酔っているからと、この変わり様はなんだ。