第17章 太陽と月の恋人《後編》* 秀吉、光秀
「こーら、泣きすぎだ」
「うっ…うぅ……っ」
「怖かっただろう、もう安心していい」
────溶けていく、心が芯まで
犯され、怖かった、痛かった。
そして……二人に罪悪感があった。
汚されてごめんなさいと。
嫌われてしまうかもと、恐怖もあった。
でも、触れる手は優しい。
唇は熱い、癒してくれると…忘れさせてくれると。
(今はまだ……甘えていたい)
美依は与えられる微熱に全てを委ね、二人に蕩かされていった。
蜂蜜色の丸い満月は、優しく月光を注ぎ……
三人の交わる月影が、色濃く映し出されていったのだった。
*****
「ふわぁっ…ぁっ……!」
その白磁の肌が、染まりながら粟立つ。
秀吉の胸に背中を預けて座る美依は、後ろから伸びている手で柔らかな二つの膨らみを揉まれ、甘い声を漏らした。
丸く円を描くように揉みしだかれ、長い指で胸先を弾かれる。
さすれば薄桃をしたそれは次第に膨らんで赤くなり、存在を露わにしていき……
二人の前に座る光秀がそれを見て、妖しく笑みを漏らした。
「ああ、気持ち良さそうだな、美依」
「あっ…ぁん……っ」
「どれ…躰の隅々まで検分するとしよう」
「────光秀」
「解っている」
秀吉が光秀に目配せすると、それだけで何を言いたいか察し、光秀は短く答える。
そのまま美依の躰を、爪先から順番に調べ始めた。
まず足首は、包帯が巻かれている。
逃げる時に捻ったのか…それとも痛めつけられたのか。
光秀は美依の足を掬い、身を屈めてその部分にそっと口づけた。
ぴくっと躰を跳ねさせ、一瞬息を詰めた美依。
それでも痛そうな様子はないので、そのまま脚を這い上がるように唇で辿っていく。
「あっ、ぁ……っ」
「痛いか、止めるか?」
「止め、ないで……っ」
「承知した」
美依が『いや』ではなく『止めるな』と言うのは珍しい。
それだけ、怖い思いをしたのかもしれない。
光秀は素足を撫でながら、徐々に脚を割り、膝や内太ももにも口づける。
二人の愛撫に身を任せ、美依は気持ち良さそうに身をよじっていたが……
光秀が脚の付け根の際どい部分に触れると、急に身を強張らせた。