第15章 日華姫ーあの子の誕生日ー * 徳川家康
「いえっ…や、それだめっ……!」
「んっ…だめ、じゃないでしょ」
「……っそこで、喋っちゃだめ!」
「息が掛かるだけで感じるの?ほんと、可愛い」
美依の『だめ』は『好い』だと知っている。
嫌がってなんかない、好すぎてだめになりそうだって意味なのだと。
俺は蜜を舐め取るように、割れ目に沿って舌を這わせたり、入口部分を舌先で嬲った。
指では近くで赤く膨れる蕾を弄って。
弾くたび、美依は大袈裟に躰を跳ねさせ、また可愛らしい啼き声を響かせるから。
それに煽られ、美依を可愛がる舌が指が、巧みに動いていく。
「だ、めぇぇ…!家、康…また、来ちゃ、大きいの、来ちゃうぅ……!」
(それでいいんだよ、あんたを悦ばせたいから…何度も何度も)
寂しかったんでしょ?
俺に構ってもらえなくて、わざわざ噂の場所にまで足を運ぶくらい、美依は追い詰められてたんだ。
それはもう、俺が甘やかす事で挽回するしかないから。
だから、もっと乱れてみせて。
気持ち良くなって、快感に溺れて。
あんたが綺麗に華開く瞬間を、何度でも見たいんだ。
思考回路まで蕩けていく。
あんたを愛すると、俺まで熱に浮かされて……
「いえ、やすっ…いえ、や……!」
「はぁっ…美依……」
────『すき』しか残らないんだ
「あっ…ぁあぁぁぁぁ……っっ!!」
ぷしゅっ……!
美依はまたすぐさま弾け飛んだ。
今度は軽く潮まで噴いて…美依の言う『大きいの来ちゃう』とはこういう事か。
その言い方も可愛いな、聞くの癖になりそう。
俺は再度脱力して褥に突っ伏した美依に覆い被さる。
その小さな躰は燃えるように熱く、赤く染まった肌は吸い付くように俺の肌にもしっとり馴染んだ。
その感覚が久しぶりで気持ち良い。
そう思っていれば、美依は首だけ振り返りながら浮かされたように言った。
「暑い……」
「それは夏だから仕方ないよ」
「違う、家康のせいだよっ……!」
(俺のせいっていい言葉)
こんなに乱れて、蕩けたのは俺のせい。
責任取ってあげるから、もっとそうなってほしいとすら思う。
だって、そろそろ日付は越えただろう。
大切な日の始まりは、俺で満たされてほしい。