第3章 拝啓 愛しい君へ《後編》* 明智光秀
『美依…気持ちいいのか?』
光秀さんは膝の上に私を後ろ向きで座らせ、背中から抱き締めながら…
私の胸元をはだけさせると、そのまま優しく愛撫した。
膨らみを揉んだり、先を弄ったり…
その巧みな指使いに翻弄され、私は気持ちが高ぶるままに肌を火照らせ、声を漏らして。
その上、耳元で甘く低く囁かれたりして、涙目になるくらい感じてしまったのを覚えてる。
『ほら…こんなに先が硬くなったぞ?』
『ぁっ…そんな、したらぁ……っ』
『可愛いな…もっと、感じてごらん』
光秀さんの指は気持ち良くて。
お腹の中が熱くなったと同時に、酷く疼いた。
こんな感覚は初めてだった。
男の人に全てを蕩かされるみたいな…
何も考えられなくなって、思考回路まで溶けてしまったような感覚。
……あれ以上触れられたら、私どうなっちゃうの?
「……っ、自分がいやらしくなったみたい」
泊まりに行く準備をしながら、考えるのは『その事』ばかりで、自分が酷くはしたない女になったように思える。
最後までって事は…
この身体に、光秀さんの熱を受け入れるっていう意味だ。
それは確かに怖い。
経験もないから、痛いのか苦しいのか。
身体的な不安はかなり大きいのだけど…
でも不思議な事に。
光秀さんなら欲しいなぁ…って思えてしまうのだ。
やっぱり私、いやらしくなったかな。
こんな私は…光秀さんは嫌いにならないかな。
「……でも私、光秀さんと一つになるんだ」
ぽつりと呟きながら、口元は笑む。
それは、とても戸惑う。
でも、嬉しい。
とても…幸せだ。
────光秀さんも、
私と同じ気持ちだったら、いいな
夕刻、私は期待と不安を胸に抱えながら、光秀さんの御殿に向かった。
芽吹くにはまだ早い。
早すぎる…寒い寒い冬の日。
それでも、花の芽は芽吹いて花開く日を、懸命に待っている。
私も、花開く時が来たのだろうか。
それを受け止めてくれたらいいな…と。
淡い期待も胸に秘め、進む足取りはまるで羽が生えたかのように軽かったんだ。
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