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【イケメン戦国】新篇 燃ゆる華恋の乱☪︎華蝶月伝

第3章 拝啓 愛しい君へ《後編》* 明智光秀





「───………っ」

「どうしたんだ、美依?光秀のやつ、また意地悪でも書いてきたか?」

「い、いや、なんでもない……っ」




秀吉さんに文を渡され、読んで固まる私。
これじゃ、天主での二の舞だ!と思いつつ…
その内容が衝撃的すぎて、私は赤面したまま頭の中がスパークして真っ白になった。




(また、追伸にサラっと……!)




前にも、同じような事があった。
光秀さんからの文、その追伸に書いてあった愛の告白。
私はもちろんびっくりしたけど…でも、私自身も光秀さんが好きだったから。

だから、想いを通わせて。
私達は…晴れて恋仲になった。
それでも私自身、男の人に『愛された』経験がなく、光秀さんはそれを知っているから、無理に"その先"を強いる事はしなかったのだけど。

でも、この手紙の内容。
『もう少し深く愛してやろう』って…
『湯浴みの用意はしておくから、御殿に泊まりにおいで』だなんて。

光秀さんの御殿に泊まりに行った事は、今まで一度もない。
光秀さんは、一晩一緒に過ごそうと。
そう私を誘ってるんだ。
それは、つまり───………






────"最後まで"っていう意味だよね?






「顔真っ赤だぞ、本当に大丈夫か?」

「だ、大丈夫だよ、秀吉さん…っ」

「光秀に何かされたら、すぐに言うんだぞ?全く、妹に手を出しやがって……」

「あ、あはは……」




渋々顔の秀吉さんに、私は乾いた笑いしか出ない。
私達が恋仲になり、みんなに報告をした時も、秀吉さんは最後までいい顔をしなかった。

『光秀みたいな奴と恋仲なんて』と。
秀吉さんは私の兄みたいなものだから、正直複雑なんだろうなぁ。




「じゃあ、秀吉さん、文ありがとう」

「おお、本当に何かあったら遠慮なく言えよ?解ったな?」

「わ、解った…またね!」




私はそのまま秀吉さんと別れる。
文を握り締め、足早に部屋に戻って…

すぐに、泊まりに行く支度を始めた。
そんなに荷物はないけど、簡単な化粧道具とか、着替えとか…
そんなのを用意しながら、心の中はふわふわと光秀さんの事ばかり考えていた。

そして、頭に過ぎるのは──……
この前、少しだけあった『触れ合い』の時間。






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