第13章 愛逢月の秘蜜《後編》* 政宗、家康
────あの日政宗と交わって思った
女の噂には事欠かない人だから、こんなに"上手"なんだろうと。
それなりに、悦ばす術を持っていて。
だからあの夜、人恋しかった私を抱いたのが、政宗で良かったのかもしれない。
家康は逆に、色恋の噂は聞いた事がない。
そもそも、自制の強い家康が、色欲に乱れて行為をする状況を想像出来ないし……
だから、どんな風に人を愛するのかとか。
それは……少しだけ興味があったのかもしれない。
今、目の前にいる政宗と家康。
媚薬に冒された私を助けようと、二人がかりでたくさん気持ち良くしてくれて。
手も、唇も、政宗や家康自身も。
すごく熱くて、いやらしくて、綺麗で。
この二人に愛される女は幸せだと思った。
だって…今この行為に気持ちはないでしょ?
満たされ充実感の中に、ぽっかり空いた穴。
気持ちがあったなら、どんなに──……
「ぁっ、あんっ…ぁあ……っ!」
「……っそんなに締めるな、美依」
三人で乱れ始めて、どのくらい時が経ったのか。
色濃い蜜事はまだ続いていて、噎せ返るほどの熱い空気が部屋中を満たしていた。
美依を後ろ向きで胡座の上に座らせ、下から穿いている政宗。
しなやかな脚は大きく開かされ、繋がっている部分は前から見ると丸わかりで……
塞いでいるはずなのに、蜜口からは愛液と白濁が混じり合って流れているのが見える。
「ほら…美依」
「んっ……!」
二人の前に座って、美依の胸を弄っていた家康。
おもむろに腕を伸ばし、美依の頭を抱えて、その唇を塞いだ。
「家康…口づけたら可愛い声が聞こえないだろうが」
それを見た政宗から文句が出た。
考えてみれば、美依にあまり口づけていない。
家康はおいしい所を持っていきすぎだろと、美依を啼かせている本人なのに不満があるようだ。
家康はそんな事はお構いなしに、美依と舌を絡め、上顎を刺激したりして濃厚な口づけを繰り返す。
だが、政宗があんまり文句を言うので、渋々唇を離すと……
再度美依の胸に触れながら、怪訝な表情を浮かべた。