第11章 黒と蜜、紅と熱 ＊ 信玄END

「はぁっ…私、もう、だめぇ……！」




やがて、駆け上がった美依が声を甘やかに震わせる。
一度絶頂を見たからか、さらに敏感になっているらしい。
俺はえげつなく腰を振りながら、美依の熱い頬に手を添えた。
そしてしっかりと見つめながら…
己もすでに限界だと示すように、小さく頷く。




「いい子に気をやりなさい。見ていてあげよう」

「あっぁっ…信玄様っ……！」

「俺も、もうっ…達しそうだ」

「……っぁ、あんっぁあっ……！」




燃ゆる躰と心。
芯まで透き通るような紅になって。
理性もかなぐり捨てて、ただ求めれば……

君がこの世の者とは思えないくらい、
ものすごく……愛らしく可憐に見えたんだ。






────愛しているよ、美依






「ぁあぁぁぁぁ………っっ！！」
「……んっ……っ………！！」




美依が仰け反り、中を最大限に締め上げた瞬間、それに流されるように俺も己を解放した。
息を詰め、最深部を穿いて腰を震わせる。
さすれば、躰の中に溜まっていた熱が全て放出され、それは白濁となって躰から突き抜けていき……
あまりの強い快感に、若干眩暈すら起きた。

美依の腹の中に一滴残らず注ぐように、ゆるく腰を揺さぶって昂りから精を搾り取る。
本当に気持ちいい、最高だ。
大きく安堵の溜息をついてしまうと、美依は俺の肩にしがみつきながら、また俺を見つめてきた。




「はぁっ…はぁっ…信玄様……」

「ああ…これは確かに癖になるなー……」

「え？」

「君を抱くのは好すぎて、信長が執着するのも解る気がするぞ」

「っ……」




すると、美依は恥ずかしそうに少し俯く。
だから…そうやって恥じらったり、初々しい反応がまた男心をくすぐるのだと、本当解っていないな。
まあ、それが魅力なのだけど。
こんな風に可愛くなられたら……

また、君が欲しくなる。
欲情するままに愛して、そして熱を注ぎたくなる。




「……もっと溺れるか？」

「えっ……」

「まだ愛し足りない、また…君が欲しくなった」




俺が素直にそう言えば、美依は可愛らしく頷いた。
まだ、契る熱い夜は終わらないのだと……
それが嬉しくて、馬鹿みたいに心が浮つくんだ。