第11章 黒と蜜、紅と熱 ＊ 信玄END

「なら…もっと深く交わろうか」




俺は少し上半身を起こし、美依の片脚を掴んで上に大きく開かせた。
己の下半身を脚の間に入れ込み……
もう片手ではだけた長着の中から、己の昂りを取り出す。

もう限界までソレは滾っていた。
愛しい女が可愛く乱れれば、男はどこまでも熱くなってしまう。
美依の女の部分はぐずぐずに蕩け、もう受け入れ態勢万全であるし。
その灼熱の先を、蜜口に押し当てれば……

美依は少しだけ喉を鳴らし、また期待したような視線を俺に向けてきた。




「こらこら、そんな物欲しそうな目で男を見るもんじゃない」

「……っ、そんなつもりは」

「────でも、欲しいんだろ？」

「貴方を、覚えたいだけです……っ」

「いい心掛けだ。もう、忘れられなくしてあげよう」




そのまま圧を掛けると、ぐぷっと淫らな音を立てて、たわいなく先が侵入を許す。
俺はゆっくり力を込めて昂りを挿し込み……
痛くないか美依の表情を伺いながら、夢にまで見た契りを現実のものにしていく。




「あっ…入って、くるっ……！」

「案外狭いな…苦しくはないか？」

「大丈夫、ですから…奥までくださっ…！」

「……っ、そう煽るんじゃない」




(本当に無自覚に煽るな、参るよ)

言葉のひとつひとつに取り乱しそうになる。
こうやって、愛らしく煽られれば……
どんな男でも、見境なくこの子を喰ってしまうのかもしれない。

……もう、頭であの男を考えるのは止めだ。

信長もこの子をこんな風にしたのか、あんな風にしたのか、煽られたのか、この子は染まって見せたのか。
それを考えた所で、醜い嫉妬が膨らむだけ。

もうそんな事は考えずに、ただ愛したい。
それを思い、奥に突き進む。
ぐねぐねと蠢く内壁は、まるで俺自身を受け入れたのを悦と感じているように絡みついてきて。

ああ……こんな至福な空間はない。
愛しい者と躰を重ねる事がこんなに好いなんて、今までは知らなかったな。

最奥に到達すれば、想いが溢れて苦しくなる。
奥の口に先が丁度当たり、ずっぽり深く嵌った感じに、思わず感嘆の溜息を漏らしてしまった。