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【イケメン戦国】新篇 燃ゆる華恋の乱☪︎華蝶月伝

第11章 黒と蜜、紅と熱 * 信玄END





「……いい子だ」




脚の間から顔を上げ表情を伺えば、美依は頬を真っ赤に染めて、とても色っぽい顔になっている。
ああ、本当に天女のようだ。
俺の手でいやらしく乱れる、愛らしい天女。

美依は浅く荒い息を吐きながら、潤んだ瞳で俺を見つめてきて。
くらりと眩暈がするな、そんな顔で見られると。
俺はゆっくり小さな躰に覆い被さると、その熱っぽい目を見つめ返し、片目を瞑ってみせた。




「そんな風に見つめられると、本当に優しく出来なくなるぞ?」

「優しくないって、自分で言ったじゃないですか」

「そうだな、俺は優しくない。優しくしたいとは思ってるが……」



こつんと額同士を触れ合わせる。
酷く熱い肌だ、そうさせているのが俺だと思うと、とても満たされた気持ちになる。
まあ…俺だけが満足しても仕方ないが。

間近で揺れる、熱を孕んだ瞳。
もっと欲しがってくれ、俺を。
今こうしているのは、流されただけではなく、自分の意志だと信じたい。
そんな事を思って零れた本音は……
酷く掠れていて、息遣いだけが溢れる部屋に、甘やかに響いた。




「君がここにいる現実を、君が心から望んだとそう思いたいんだ。それが本当ならば、俺は優しくなんて出来なくなる。優しくしたくても…君が欲しすぎて、熱情が暴れているからな」




────えげつなく燃える激情
傷つけてでも欲しいと思った渇望

女にはさほど執着しない質(たち)だった。
一夜の関係もあった、離れていけば追わなかった。
しかし、この子は違う。
何がなんでも手に入れたかった。
それで傷つけても、癒してやればいいと。
饒舌に騙して、手に入れる策を整えた。

狡い男だと解ってる、それでも……
愛しい女を、この手に抱きたい。

すると、美依は顔をくしゃっと歪め、その細腕を首に巻き付かせてくる。
ふわりと甘い匂いが漂い、それが酷く心の柔い部分を刺激した。




「だから、貴方は狡いって言ってるんです」

「……」

「私がここに居るのは自分の意志ですよ、信玄様。だから…優しくなんてしなくていいです。貴方が求めてくれる事が嬉しいから」

「っ……」




(ああ……言葉にならないな)

君は俺を喜ばせるのが上手いらしい。
そんな事を言われたら…何もかもを剥ぎ取り、愛してやりたくなる。






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