• テキストサイズ

【イケメン戦国】新篇 燃ゆる華恋の乱☪︎華蝶月伝

第2章 拝啓 愛しい君へ《前編》* 明智光秀





「謝らなくていい、謝る必要ないだろう」

「でも…面倒くさいでしょう?」

「いや、むしろ光栄だ」

「え……?」




俺が言えば、美依は驚いたように目を輝かせる。
そんなにびっくりする事でもないんだがな?

俺は美依の頭をぽんと撫でた。
勿論、思うがままに触れ合いたい気持ちはあるが…
それは、もう少し先の話。
美依が不安にならなくなったら…
その時は存分に、絡み合えばいいだけだ。




「俺が最初の男になれるなど、それは嬉しい以外の何者でもないだろう?」

「そうなんですか…?」

「まだ何も知らないお前を開花させて、じっくり愛でる…実に心が疼くな。他の男の快楽を忘れさせる必要もないし、俺の与える快感だけを覚えさせればいい」

「……っ」

「そうだな、だがとりあえず今は…」




そのまま、美依の唇に触れる。
親指で、すーっと下唇をなぞって。
美依の喉が僅かに鳴ったのを聞き逃さなかった。

ああ…"ここ"には触れてほしいらしい。
俺は美依の望むものは与えてやりたいから。
勿論…俺自身も今は"ここ"が欲しい。






「────口づけから始めるとしよう。
 その先は…またじっくり教えてやろう」






しんしんと、外は粉雪。
とても静かで…もはや二人の息遣いくらいしか聞こえない。

頬を染めて、愛らしい顔をする俺の女。
そっと目を閉じたのを確認し…
ゆっくりと、唇を塞いだ。
初めて交わす口づけは、とても温かく。
とても官能的で、身体が昂ってしまったのは美依には内緒にしておこう。












────お前だけを、愛しているよ












お前に文を書いたのは…
どうしても気持ちを抑えきれなくなったからだ。

"欲しい"気持ちは日に日に募り…
焦がれる衝動のまま、筆を走らせた。
それでも、熱烈な恋文は書けずに。
追伸でさり気なく書いたのは、俺なりの気恥しさを紛らわすためだったのかもしれない。

"仕事"で女に愛は囁けても…
この饒舌な口は、真の愛を語るのには慣れていないようで。

それだけ、お前に惚れていると。
我ながら溺愛している事実に、戸惑いながらも抗えないのだがな?







/ 346ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp