第9章 黒と蜜、紅と熱 * 信長VS信玄《共通ルート》
「あ……っ」
「どうした、美依」
「どうしたって…また、大きく……!」
「貴様が煽るような目で見るからだ、期待には…応えてやらねばな」
「あっ、ぁあっ……!」
じゅぷっ、じゅぷっ……
軽く抜き挿しされるだけで、いやらしい音が響く。
ぬるぬると昂りで擦られ、達した事で敏感になってる躰がまた熱を上げ始めた。
もう、これ以上したら……!
熱の塊となった躰が悲鳴を上げる。
限界だよと、心も軋んで苦しくなる。
だって、私と信長様は恋仲でも何でもない。
周りは私と信長様は相思相愛だと言うけれど…それは違う。
私は一方的に信長様の寵愛を受けて、それに応えられていないのだ。
「────美依、愛している」
「あぁぁっ……!」
信長様は艶っぽい声で囁き、また私を穿き始めた。
強く激しく、腰を打ち付けて、中を鋭い熱で抉って。
そして、私はまた喘ぐ。
声が枯れるほど啼かされて……
またきっと意識を飛ばすんだ。
『愛している』と言ってくれるのに、
本当にごめんなさい、信長様───………
その夜も、私は信長様に激しく愛され、散々熱を注がれて過ぎていった。
際限なく囁かれる愛の言葉は甘く、私は何度もそれに絡め取られそうになって必死に逃げた。
だって、私は信長様に愛される資格はない。
この胸の中の想いは───………
信長様お一人に向いている訳ではないからだ。
信長様の寂しそうな眼差し。
私はその意味を、本当は理解している。
躰は繋がっても、心は繋がっていないから。
だから、あんなに寂しげに翳るんだ。
あんな目をさせているのは…私だ。
信長様の匂い、焦がれるような熱情。
それらに包まれ、本来ならば幸せなはずなのに、とても苦しくて切ない。
『愛している、美依』
掠れた声が胸を震わせる。
蜜な華は愛を注がれて、枯れる事も許されない。
私はただの浅ましい女なのか。
与えられる快感から逃げられない、そんな情けない私。
そんな私を、信長様は優しく抱き締め…
目覚めた時、傍にあった温もりに、思わず涙が零れてしまった。
*****