第8章 桃色淫書-蜜恋に戯れる想い- * 石田三成
「美依様…美依、様っ……!」
私は腰を上げ膝立ちになり、そのままの状態で自分の雄を扱き始めた。
腰が自由になった事で、それを前後に振り…
いかにも美依様の中を抽挿しているかのように動き始める。
扱く手のひらで圧迫すれば、まさに蜜壺の中にあるような感覚を覚え…
そして、擦れてぬちゅぬちゅと音がすることにより、実際に律動しながら攻めているような錯覚が沸き起こった。
駆け上がる、躰と心。
それはもう、止めようがなくて…
目に焼き付けた淫画をひたすらに頭の中で想像しながら、一人での行為に溺れる。
(好きです、美依様…愛しています)
実際には言えない告白を繰り返し。
ひたすらに妄想の貴女に愛を囁く。
それはとても悲しく、切ない。
貴女に直接言えたなら…どんなにいいだろうか。
『────三成君』
貴女に名前を呼ばれるだけで…
狂おしいほどの愛情に焦がれた。
そして、焼けるような蜜情を覚えた。
欲しい、
貴女が、
欲しい、
死ぬほど、
貴女もそうであってほしい。
私を求めて、美依様、
狂うほどに、心のままに、
弾ける刹那を
一緒に感じさせて。
『ぁあ……っ三成、くん……!』
────お願い、愛しい貴女
私を…どうか好きになってください
「あ……っ………!」
びゅくっっ………
私は息を詰め、鮮やかな頂点を見た。
腰を折って前屈みになり、その全てを吐き出す。
弾け飛んでしまったら、頭の中が真っ白になった。
軽く眩暈まで覚えて、目の前がくらくらと歪んで…
そして、書庫の床は私が吐き出した白濁色の欲でべっとりと汚れる。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ……」
額は汗ばみ、息が荒れて浅い呼吸を繰り返し。
そして気がついてみれば、片手に持っていた文献はいつの間にか放り投げてしまっていた。
ぼんやりする頭で思考を巡らせ…
達した事で躰の火照りは少し収まり、だんだんと気持ちも冷静になってくる。
下を見下ろせば、醜いまでに飛び散った精。
それを見ていたら…
少しだけ虚しくなって、思わず嘲笑が漏れた。