その哀しき運命(サダメ)を少しでも変えたくて 番外編
第1章 番外編①「〜私の使命と家族としての在り方〜 」
「わかってる。この事は秘密だよ? …私たちの事は沈黙の掟(オメルタ)に関わる事なので……アハハ…」
と苦笑いする私に優しい手つきで頭を撫でられ目を瞑る。
ボンッと煙が発って消えると幼い彩花がそこに居た。
私は瞬きすると言った。
「元に戻っちゃった」
彩花は指輪の力を借りて10年後の姿に成っていたのだと尚吾は悟った。
尚吾は彩花を抱き上げると言った。
「助けに来てくれてありがとうな彩花」
尚吾の礼に私は微笑む。
「うん♪ 私頑張った♪」
尚吾は瞬きをした。
さっきまでスラスラと話せていたのにまだぎこちなさが残っているのは10年後の姿だったからだろうか?と尚吾は疑問に思いながらもやることを済ませて、彩花と共に家へ帰った。
家のリビングで祈るように2人の帰りを待っていた千鶴は玄関のドアが開く音と帰宅の声を聞いて慌てて向かう。
千鶴は言った。
「尚吾さん! 彩花!」
「「!」」
千鶴の呼び掛けに2人は千鶴を見て言う。
「おう 千鶴、帰ったぜ」
「約束守ったよお母さん♪」
微笑む彩花の笑顔を見て千鶴は緊張の糸が切れたのか泣きわめきながら2人を抱きしめる。
尚吾と私は千鶴の頭を撫でた。
その後、力を使って疲れた私は直ぐに眠りに就く。
「あれ? 私確か……寝てたはずなのに」
私は気付くとボンゴレ本部 執務室に居た。
でも私の体が透けているのが分かった私は考える。
「……まさか……綱吉の記憶?」
ふと私はある事に気付き、呟くと景色が動く。
「10代目…――の――はどうされますか?」
その問いは私が知る姿よりも10年後の姿の隼人だった。