その哀しき運命(サダメ)を少しでも変えたくて 番外編
第3章 番外編③「~小さな身体で動ける秘密(後編)~」
「うん。彩ちゃんがオレを守ろうと怪我をしたりするのは嫌だ。逆に彼女を守れる様に
ならなきゃいけない……結構難題だけど…アハハ…」
そう言って苦笑いする彼の瞳は真剣なのをアーリアは見逃さずに話す。
『ならば精進あるのみだ。私も何かを守れる様に地道に努力を積み重ねたからな……お前ならばやり遂げられるさ』
「うん、地道に頑張る」
アーリアの言葉にオレは勇気を貰えた様な気がする。
そして、アーリアの言った通りに彼女に提案したら許可が降りたオレがお爺ちゃんにシャマルを呼んでもらう。
お爺ちゃんもシャマルもオレが名前を知っていた事に驚いていたのでアーリアさんが教えてくれたと言ったらお爺ちゃんは分かった様だけどシャマルは首を傾げている。
日に日に元気を取り戻していく彼女を見ていく内にもう直ぐ自分の中にある力が封印されるんだとオレは思った。
(でも少しでも彼女の負担を減らせるならオレはこれで良いと)
3日後、封印の日にオレは力を封印された。
意識が落ちる前に泣きながらオレに謝る彼女の声が聞こえて、泣かないでと言いたかったけれど、眠気に負けてしまう。
その時のオレは気付いていなかった。
力と共に彼女に関する全ての記憶も封印されていた事を…。
でも何故か不思議と違和感が無かった。
丘から彼と家光が乗った車を慈しみの表情で見送った彼女。