その哀しき運命(サダメ)を少しでも変えたくて 番外編
第1章 番外編①「〜私の使命と家族としての在り方〜 」
「はい、そうですよ尚吾さん。この姿はある力を借りて成っている姿なので心配しないでください。
千鶴さんに貴方を無事に連れ帰ると約束しているので」
尚吾は申し訳ない表情をする。
「すまない……心配と迷惑をかけたな」
尚吾の言葉に私は首を振る。
「いいえ……そんな事ありません」
ふと私は尚吾に赤いセンサーの様な物が当てられている事に気付くとハッとして言った。
「尚吾さん!!」
ドンッ、「ッ!?」
彩花が尚吾を突き飛ばしたその時。
ズガンッ、「ッ!?」
私のお腹辺りを弾が貫通する。
「ッ!? 彩花!?」
尚吾は驚愕した。
「っぐ!」
私は呻きながらも傷口を押さえて、弾を撃った相手を見る。
そいつは顔を真っ青にさせていた。
私はニヤリと笑うと血の着いた手をそいつに向かってバッと飛ばす。
血は鋭い針となってそいつを串刺しにした。
「大丈夫か!? 彩花!?」
駆け寄る尚吾に私は言った。
「大丈夫……傷は時期に塞がるから」
「何を言って……ッ!?」
私の言った意味が分からない尚吾は傷を見て驚愕すると交互に見ると言った。
「……いったい何が?」
狼狽える尚吾に私は話す。
「私には各属性の死ぬ気の炎が使えます。その内の1つ、晴の活性化で
傷口を最速治療したのです。だからほら……もう傷口が塞がってるでしょ?」
そこには傷口が無く服に穴が開いた状態だが流れた血はそれが在った事と彩花の体にダメージが消えた訳ではない事を尚吾は理解していた。
尚吾は言う。
「治ったのは良いがダメージが消えた訳ではないだろう? あまり無理はするな」
私は言った。