その哀しき運命(サダメ)を少しでも変えたくて 番外編
第3章 番外編③「~小さな身体で動ける秘密(後編)~」
(ならばあの俊敏な動き…そして初代の技を使えたのも…。10年経て体とそして超直感で成せた事だったのか…。まさかまだこんなに幼いこの子にそこまでの期待感を抱かせるとは)
9世は内心で呟くとツナの頭を撫でながら言った。
「君の将来がますます楽しみになったよ」
「エヘヘ…」
オレはお爺ちゃんに頭を撫でてもらえて嬉しくて笑う。
家光も将来のツナがあんな逞しく育っているのならと安心した。
本部へ戻り、彩花は直ぐに医療班に治療を受けることなったのだが…。
「来ないで!! 私に触らないで!!」
彩花はあの実験の後遺症のせいか誰も信じられなくなっていた。
その拒絶に医療班の人たちは困り果てている。
謝罪するけどどうしても受け入れられなかった
するとそこに彼が来て、医療班の人たちと何かを相談していた。
彼女の悲鳴を聞きつけたオレは治療室に入って、医療班の人たちにある提案をする。
「彩ちゃんにする治療はオレが代わりにやりますから指示をお願いします」
医療班たちは唖然としたが彼の提案はありがたいと思った。
オレは指示を聞くと彼女に近寄りながら言う。
「彩ちゃん! お医者さんごっこしよう♪」
ズコッ…、その場に居た全員が彼の言葉にズっこける。
彼女もこけたがごっこなら安心して受けれると思った。
「ごっこ? なら大丈夫」
彼女は首を傾げるも頷く。
オレは指示通りに先ず点滴を射つために彼女の片腕を取って言った。
「それじゃ〜点滴するね〜」
オレは肘辺りの血管に指を当てて一番強い所に点滴の針を射れる。