その哀しき運命(サダメ)を少しでも変えたくて 番外編
第3章 番外編③「~小さな身体で動ける秘密(後編)~」
「X BURNER AIR-イクス バーナー エアー-!!」
ゴオオッ…、ツナの左手から莫大な炎が放出され、建物は跡形も無くなり、更地に成っている。
全員が唖然としている中で9世はツナに言った。
「綱吉君……今の君は…もしや…」
超直感でオレを理解したお爺ちゃんに少し微笑み、人指し指を口に当てながら言った。
「ハハハ…これはまだ秘密だよお爺ちゃん♪ それじゃ…オレはこれで失礼するね♪」
と言って微笑んだと同時にポンッ…と煙が起こって元の姿の彼が居た。
オレは瞬きすると言った。
「あれ? 元に戻った?」
瞬きをし、首を傾げながらそう呟く彼に9世たちは唖然とする。
それはツナが何かしらの力で10年後の姿に成っていたのだ。
ふと9世だけが彼の胸元に揺れるフィーネリングに気付く。
(まさか……彼女にしか使えないフィーネリングを綱吉君に力を貸したと言うのか? それならばさっきの青年姿も納得が出来る。……子供のままだとリングの力に耐えられない……だが、対応出来る青年姿ならば使える)
9世の内心での呟きを気にする事もなくツナはその腕に抱えられた彼女を見て、慌てて駆け寄ると言った。
「彩ちゃん!? もしかしてオレが助けたの?」
オレの問いにお爺ちゃんは唖然としながら言う。
「……君がその指輪の力を借りて……成長した君が彼女を助けたんだ」
オレは笑顔で言った。
「そっか! 指輪からの声が「自分を使えば助けられる」って言ってくれたから信じて良かった♪」
9世は愕然とする。